<久留米絣について>
一台のモーターから連結された20台の織機が稼働する昭和のレトロなベルト式の力織機。
昭和23年創業の久留米絣織元です。
日本を代表する伝統的先染め織物です。
手織りに近い柔らかい風合いが特徴。
手作業の工程が多く、30工程以上を2〜4カ月を要して織り上がります。
日本の伝統的な織物でこだわりの一品を制作したい方にぴったりの織物です。
<織りの特徴>
動力織機で作るタテヨコ絣は、久留米絣の大きな特徴。
現在では、ごくわずかとなった「脱色絣」の技法で織りあげた七宝柄。
片羽、一羽(かたは、ひとは)と呼ばれる括り(くくり)の技法を用いて立体感を表現。
加えて、「つまみ染め」と呼ばれる手染めの技法でブルーの差し色がアクセント。
現代久留米絣の様々な技法をちりばめて作ってます。
<脱色絣について>
通常、絣の技法は柄になる部分を糸で縛って(括り)防染することで
柄になる部分を浮かび上がらせる。そのため地色に対して柄になる部分が
色が薄い。例えば紺地に白や黒字に白などコントラストのはっきりした配色が多いのはそのためである。脱色技法は、その工程を逆にすることで色を反転させる技法。先に全体を黒や紺などで染める。染めた糸を図案に合わせて柄になる部分を縛る(括り工程)。その後、脱色すると縛った部分だけが色が抜けずに
白地に黒や白地に紺などの配色ができる。通常の工程を逆にするということは単に作業手順を入れ替えるだけでなく、その前後の下準備含めて作業工程が増えることになるため、通常の配色の絣よりも2〜3工程手間がかかることになる。
<七宝柄について>
同じ大きさの円、を四分の一ずつ重ねる文様を「七宝文」といい、この文様を
上下左右に規則正しく連続させたものが「七宝つなぎ」と呼ばれる。
円(輪)は、和につながるもので人と人との輪の大切さを表している。
また、この文様が限りなく伸びることから子孫、商売などの発展・繁栄を志向する吉祥文とされている。
また七宝とは仏教の経典<仏説無量寿経>にでてくる七つの宝を指していて
人のご縁や繋がりは、七宝と同等の価値があることを示している。
下川織物ではロゴマークとして採用。
<七宝菱形について>
2019年に東京・京王プラザホテルにて開催した企画展「絣Works」で発表した柄。七宝柄は、下川織物のロゴマークにも採用している思い入れの深い吉祥文様。括り技法による濃淡の表現で「七宝つなぎ」の中に「ロゴマーク七宝」を浮かび上がらせた。4つの重なりは、作り手、伝え手、消費者、関係者の繋がりを表している。つながりがつながりを呼び、大きな環になって広がっていく想いを込めて製作した。
<仕様>
タテ糸 40/2 ヨコ糸 20/1
生地の厚さ表示 標準
表地:化学染め 100%
裏地:化学染め100%
綿100%
湯通し天日干し仕上げ
裏地久留米絣の無地を使用
サイズ:タテ 28.5cm ヨコ 35cm
<お手入れ方法>
手洗い推奨。桶等に入れた水の中に少し洗剤を少量溶かし、マスクを浸け押し洗いしてください。
その後、手で絞って日陰干し(室内干しでも大丈夫です。)
塩素系漂白剤入りの洗剤は、生地を痛め変色の原因になります。
<表示について>
実物と写真では若干色が違って見えることがあります。