久留米絣織元 下川織物

久留米絣織元 下川織物

柄の意味

<絣の柄 意味>
久留米絣には、多くの吉祥文様が織られている。
吉祥文様(きっしょうもんよう)とは、縁起がいいとされる動植物や物品などを描いた図柄のことで、特に中国文化圏を中心としたアジアで広く愛されるものが多い。祝意を表し様々な柄があるが、その中でも久留米絣で使われることの多い柄を紹介したい。

◆市松(いちまつ:出産祝い、就職祝い、転職祝いなど)
市松(いちまつ:出産祝い、就職祝い、転職祝いなど)
格子模様の一種で色の違う正方形または長方形を互い違いに並べた模様。
装飾品、工芸品、建築などに古くから用いられてきた縁起柄。
上下左右にどこまでも繋がっていることから子孫繁栄などの意味が込められている。もともとは、石畳模様と呼ばれ文字通り石畳に使われていたが、江戸時代に歌舞伎役者の佐野川市松が衣装の袴にこの柄を用いるようになって人気を博したことから市松模様と呼ばれるようになったと言われている。
時代の変遷によって、変化していったことから下川織物では「出世柄」という意味合いでもこの柄を用いたいと解釈している。

◆麻の葉(あさのは:出産祝い、引っ越し祝い、女性への贈り物向きなど)
麻の葉(あさのは:出産祝い、引っ越し祝い、女性への贈り物向きなど)
麻は成長が早く、真っ直ぐに伸び生命力が強いのが特徴。古くから、赤ちゃんの産着の模様の定番として使われてきた。麻は虫がつかないことから神聖な植物とされていた。そのため麻の葉模様そのものに邪気を払う力があるとされており、魔除けの意味もある。歌舞伎の世界では、女性を象徴する柄として使われてきたことから女子力アップの意味もある。

◆七宝(しっぽう:各種お祝い)
七宝(しっぽう:各種お祝い)
七宝(しっぽう:各種お祝い)

同じ大きさの円、を四分の一ずつ重ねる文様を「七宝文」といい、この文様を上下左右に規則正しく連続させたものが「七宝つなぎ」と呼ばれる。
円(輪)は、和につながるもので人と人との輪の大切さを表している。
また、この文様が限りなく伸びることから子孫、商売などの発展・繁栄を志向する吉祥文とされている。
また七宝とは仏教の経典<仏説無量寿経>にでてくる七つの宝を指していて人のご縁や繋がりは、七宝と同等の価値があることを示している。
 
◆青海波(せいかいは:結婚祝い、引っ越し祝いなど人生の門出に)
青海波(せいかいは:結婚祝い、引っ越し祝いなど人生の門出に)
青海波(せいかいは:結婚祝い、引っ越し祝いなど人生の門出に)

半円形を重ねたものを鱗状に並べることで「波」を表している。
歴史的には、ペルシャで生まれてシルクロードを経て中国から飛鳥時代に日本に伝わったとされている。
無限に広がる穏やかな波に未来永劫と平和な暮らしへの願いが込められている。

◆十字(お見舞い、快気祝いなど)
十字(お見舞い、快気祝いなど)
十字(お見舞い、快気祝いなど)

最も古代から存在する人類的ともいえるシンボルの一つ。多くの地域で使用されている。キリスト教の十字架、占星術、天文学のシンボルの一つ、方位を示すシンボルなど。そのため、「神聖」「神への愛」「復活」「困難に対する勝利」「希望」「生きる力(生命力)」などの象徴であるとされている。

◆亀甲(就職祝い。誕生祝いなど)
亀甲(就職祝い。誕生祝いなど)
亀甲(就職祝い。誕生祝いなど)

文字通り亀の甲羅の文様。亀は中国の四神(青龍、白虎、朱雀、玄武)の内の玄武で神の意志を伝える能力を持ち長寿のシンボル。亀の甲羅が四分六で縦に分かれた文様で見る視点を変え発想の転換をすることも良い方向へ進み幸せになるという意味を表している。長寿吉兆の文様であると同時に金運アップの文様としても知られている。

◆矢絣(学業成就、結婚祝い、人生の門出に)
矢絣(学業成就、結婚祝い、人生の門出に)
矢絣(学業成就、結婚祝い、人生の門出に)
矢絣(学業成就、結婚祝い、人生の門出に)

弓矢の羽模様。弓は射るとまっすぐに進むだけで戻らない。ということから
結婚の際に矢絣の着物を持たせるといった習慣もあった。また、「的を射抜く」ことから合格祈願、目的成就などにふさわしい。
矢は武士(男)としての強くたくましい成長を願い、身を守る道具、お守りの意味でも使われている縁起の良い柄。魔除けの破魔矢としても有名で日本では古くから着物に最も多く使われてきた柄の一つ。

◆井桁(家内安全)
井桁(家内安全)
井桁(家内安全)

井桁とは井戸の縁に組まれた木製の枠の名で、それを象徴化した「井」を模様にした柄。生活になくてはならない井戸を守ることを表すことから家内安全の意味が込められている。

◆紗綾形(さやがた)
紗綾形(さやがた)
不断長久「絶えることなく長く続く」という意味があり、家の繁栄や長寿を願う文様。卍(万字)を斜めに崩して連続的につなげた文様で中国から伝わった柄。
万には「よろず、すべて」という意味があり、宇宙、無限などを表している。
 
季節の花々(各種お祝いなど)

 梅、菊、椿、あじさいなど季節の花々を織ることで人生の門出やお祝いに花を添えるという意味合いを持たせる。それぞれの花には「花言葉」があり、「花を持たせる」「花を手向ける」など人生に花を添える習慣は心を豊かにする。

◆桜
 日本を代表する花。「新しい門出」「豊かさ」を連想させる。
◆牡丹
 華やかで豪華な印象の牡丹は、幸福や富を象徴する。
◆藤
 稲穂に似てることから豊作を願うという意味があり、発展を願うときに合う。
◆南天
 「難を転ずる」の語呂合わせから願掛けやお祝いにふさわしい。
◆松竹梅
梅
梅
梅

苦難に開花するという意味で縁起の良い柄。梅は「産む」の語呂合わせから安産祈願の意味合いにも使われる。松は生命力の強さ、長寿を意味する。また2枚の葉が基でつながり落ちても離れないことから永遠の愛を表している。
竹は、中空で節があるため裏表のない高潔さと節操を意味する。

◆椿
椿
椿は、一年中、葉が青い木のことから常盤木(ときわぎ)と呼び、縁起の良いものとされている。日本が原産の木で吉祥木とされ、平安時代には、油や化粧品、不老長寿の薬として大切にされてきた。 江戸時代になると椿は将軍家から庶民まで広く愛好され、品種改良により500種以上になった。 邪気を寄せつけない厄除けの呪木(じゅぼく)とされており、吉祥文様で春のみならず、一年中、楽しんでよい柄だといえる。

その他
◆かつお縞(季節のご挨拶、お祝い)
かつお縞(季節のご挨拶、お祝い)
かつお縞(季節のご挨拶、お祝い)

鰹(かつお)は、日本では古来から若葉茂季節に水揚げされる鰹を夏の到来を告げるものとして珍重されてきた。一方、縞(しま)は南蛮貿易などで異国からもたらされた縦縞の木綿のことを「島」からもたらされた「物」という意味で「島物」と呼んでいたものが江戸時代に「縞」と呼ばれるようになった。
鰹縞とは濃い藍色から白色まで、ぼかしをつけて表された縞文様。
「鰹」自体、古来より縁起の良いものとして珍重されてきた。特に鰹節は朝廷に献納や、神社へのお供え物など時代の変遷とともに大事にされており、戦国時代には「勝男武士」という当て字で縁起担ぎにされていた。江戸時代には初物を食すことが粋とされ、「初鰹」は食すると750日も長生きできると言われていた。


下川織物独自の柄◆生地
◆よろけストライプ
よろけストライプ
よろけストライプ

括り技法によって、規則正しい柄に設定した糸を、あえてバラバラに崩す。
ストライプの両側を挟むように経糸に配列することでまっすぐではない、よろけた縞模様を作る。従来の伝統的な技法から新しい視点で全く違うアプローチを試みることで生まれた「よろけストライプ」には、再生・変化・革新などの思いを込めている。

◆Kiri
Kiri
Kiri

括り技法による柄の表現は行わず、それ以外の工程は同じにすることで絣の柄物と同じ風合いの無地を作り上げた。立体感に乏しい風合いに変化をつけるため、緯糸(よこいと)を「2本合糸」という技法を取り入れ、なおかつ独自の設計でテンションなどに工夫を加えることで横方向に独特の織模様を表現することに成功した。「澄んだ湖に発生する霧」をイメージしている。
「深化から生まれる変化」の思いを込めている。

◆八女紬
八女紬
八女紬

「久留米絣の多様性」に挑戦した生地。
経糸(たていと)、緯糸(よこいと)ともに60/2という細番手の双糸を用いて打ち込み(織の密度)も高密度に仕上げる。薄手の生地ながら、重みのある生地は、しわになりにくく着物生地としても人気。
「新たな未来の創造」という思いを込めている。

◆ハンプ
ハンプ
ハンプ

「限界への挑戦」
久留米絣の「括り」工程で使用する「括り糸」と呼ばれる太番手の特殊な糸を経糸(たていと)に使用して帆布生地を久留米絣織機で開発。久留米絣特有のゆるいテンションで織りあげた柔らかい風合いを保ちながら肉厚のしっかりした生地を織りあげる。織機に使用する歯車を独自に作るなど工夫を重ねることで絣織機では通常限界だと思われた生地を織ることに成功した。
未知への挑戦〜成功をイメージしている。
 

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